L75×W60×H10mm
銅 ブロンズ 真鍮
2011
フナムシ Ligia exotica は、甲殻綱・等脚目・フナムシ科に分類される動物の総称。熱帯から温帯の海岸に広く分布する代表的な海岸動物の和名。漢字では(船虫)と書く
フナムシ の体長は最大5cmほどで、等脚類の中でも大型である。体は平たく、多くの節にわかれ、7対の歩脚がある。頭部には長い触角と大きな複眼があり、尾部には2つに枝分かれした尾脚が1対ある。背中側の体色は鈍い光沢のある黒色で、淡黄色のまだら模様があるものや、褐色の広い縁取りがあるものなどがいる。また、夜は昼に比べて体色が淡く、褐色がかった色をしている。
ダンゴムシやフナムシなど、見た目も、そして名前も「虫」という名が入っいるが昆虫ではなく等脚類、名前の通り「等しい脚」を7対14本持っている生物で、3対6本の脚を持つ昆虫とは別の生き物である。
動きは素早く、大きな動物が現れると一目散に岩石のかげに逃げこむため、捕獲は難しい。また、通常は海に入ることはないが、誤って海に落ちた時はすばやく体を波打たせて泳ぐこともできる。ただし遠距離を泳ぐことはできず、水中に長い時間いることは出来ない。
食性は雑食性で、藻類や生物の死骸など様々なものを食べて海岸の「掃除役」をこなしている。
フナムシは卵胎生で、メスの腹部には卵を抱える保育嚢があり、ここで卵を保護する。孵化後もしばらくはメスの保育嚢に掴まって生活する。そのためこの時期のメスを捕獲すると、保育嚢の中から幼体がゾ飛び出てくる。
どこの海岸にもいるうえ、手頃な大きさでもあるので、釣りの餌(主にイシダイなど)としてよく利用されるが、容姿やすばやい動きがゴキブリに似ており嫌う人も多い。近縁種の Ligia oceanica は英名でも"wharf roach"(埠頭のゴキブリ)と呼ばれている。ゴキブリとフナムシを同じ方言で呼ぶ地域もあり、たとえば長崎県長崎市周辺では両方とも「アマメ」である。長崎県魚目地方ではアモメ、他にはウミムシなどと呼ばれる。
その食性のためか、強い苦みと腐敗臭が有り、非常にまずいという報告が有る。
ネット等で「フナムシ」を検索すると、「フナムシ 食べる」「フナムシ 料理」など、その外見からかフナムシを食すチキンレースにも似た試みは昔から人気がある。
本作品は胴の各関節、すべての脚、触覚と大顎が稼働する。パーツ数は以前制作した「ムカデ」に次いでの多さである。体色は銀メッキの上から硫化を施して表現した。慣れるまではモチーフの観察と触ることへの抵抗に苦労した。また、モチーフを捕まえるのもかなりの重労働であった。